長野県看護協会継続教育方針
<教育理念>
長野県看護協会は、人々のいのち・暮らし・尊厳をまもり支える看護の実現を目指し、あらゆる場で働く看護職が、専門職業人としての倫理を遵守しその責務を果たすべく能力の維持・向上・開発を主体的に行うことができるよう継続教育を支援する。
<教育目的>
1. 看護専門職として、社会の変化、医療の進歩、人々の多様化するヘルスケア・ニーズに対応できる人材育成を支援する。
2. 教育・研究に携わる看護職の能力育成を支援する。
3. 看護管理者と、これから看護管理を担う看護職の看護管理能力の向上を支援する。
<成果>
1. 地域のニーズに応じた「生活」と保健・医療・福祉をつなぐ役割を発揮できる看護職の育成
2. 質の高い看護実践を支える看護教育者の育成
3. 質の高い看護実践を支える看護管理者の育成
※ 用語の定義
看護教育者とは、あらゆる場で看護学生、看護者の教育・指導・キャリア形成の支援に携わる者をいう。
看護管理者とは、病院・行政・介護福祉施設・訪問看護ステーション等で管理的立場にある者をいう。
<教育の枠組み>
1.専門職業人として看護者に必要な能力の全体像《表1》
日本看護協会編:平成17年度看護白書に一部追加
2.研修領域《表2》
3.長野県看護協会 研修体系(概念図)《図1》
研修体系(概念図)の説明
- 長野県看護協会における研修は、長野県内のすべての看護職(保健師・助産師・看護師・准看護師)が《表1》に表す「専門職業人として看護者に必要な能力」を修得するためにその体系化を図る。また、看護職だけでなく看護職と協働する他職種のための研修も計画する。
- 全体を囲む点線は、継続教育の視点から支部研修・地域開催研修・助産師出向事業等、協会内の研修に限らず広く地域への拡がりを表す。
- 研修は、「看護師の継続教育の基準」(日本看護協会)の継続教育の範囲より、「新人のための研修」「ジェネラリストのための研修」「専門性の高い研修」「教育・研究に携わる者の研修」「管理者のための研修」に分ける。これらの研修受講対象は職能を問わない。
- 職能の専門性・効果・効率の観点から、必要性に応じ職能別研修として「保健師のための研修」「助産師のための研修」「看護師のための研修」「准看護師のための研修」を計画する。
- 職能別研修においては、日本看護協会で開発・推進している「助産実践能力習熟段階」や「JNAラダー」、厚生労働省の「自治体保健師の標準的なキャリアラダー」を活用する。
- 「新人のための研修」「ジェネラリストのための研修」と職能別の交わる部分では、職能を問わず看護実践能力の核として必要なJNAラダーの4つの力を育てることを意図する。
- 研修内容の重要構成要素として【実践力・課題解決力】【倫理】【調整力・マネジメント力】【協働・連携】の4つを定めた。
- 【実践力・問題解決力】看護職には、安全で質の高い看護実践能力と多様なニーズに対応する課題解決力が求められる。
- 【倫理】看護職には、人間の生命、人間としての尊厳および権利を尊重し、看護者の倫理綱領に基づいて看護を実践することが求められる。
- 【協働・連携】医療においては特に目的と情報を共有しつつ異なる(多くの)専門職がその専門性を発揮できるようにすることが求められる。看護職は、適切なコミュニケーションと対人関係技術をもって多職種と(時には患者・家族を含め)協働・連携することが求められる。
- 【調整力・マネジメント力】看護職は、立場やキャリア段階に関わらず人・もの・時間・環境・情報の調整やリーダーシップ、交渉力、マネジメント力を求められる。